お断りしておきますが、フランスのロックを追いかけているひとには何の発見もありません。しかもあまり脈絡がありません。有名なものだけを紹介しているというわけでも、無名なものだけを紹介しているというわけでもありません。気分のおもむくままです。最近のフランスのロックって全然知らないけどどういう感じなの?というひとが聞いてみるのに向いています。断るまでもなく、私の好きなものだけです。一、二年前のものが古いとかそういう感覚の人には向きません。
最初から英語の歌で何だが、Tu Seras Terriblement Gentille、略して TSTG というグループ。英語なのが残念だが、とりあえず新しいから紹介しておく。結構今の感覚ですね。私はかなり好き。何がいいって、ヴィニール盤のシングルでデビューしたというのがいいじゃないですか。そうしてくれたらうれしいけどな、とグループ名を訳してみた。
Tu seras terriblement gentille/ I'm looking4U
ガレージパンクのTSTGとはまったく世界がちがうガキロックのプラスティシーヌ。かわいいからいいじゃないですか。ど下手なんじゃないかと思っていたが、思っていたよりうまい。アルバムのなかではこの曲がいちばんいいですね。かわいいから。というかかわいいという要素を抜きにしては決して語れない音楽だ。気に入ったらヒット曲の「
ルーザー」のクリップも見てみましょう。(他のガキロックは省略。フランスのガキロックは日本のヴィジュアル系のようなものなので、決して大きな声で好きだと云ってはいけません。)
Plasticines - Bicyclette - live Coachella 2008 4/27/08
フランスロックの中堅グループのひとつ、マトマタです。ブルターニュのグループではありますが、何もケルト風ロックのカテゴリーに入れなくてもよい熱いロックを聞かせます。と云いつつ実にブルターニュ色の強い曲を紹介。マトマタのコンサートではよくある光景だが、会場ではブルターニュの旗がはためいておりますよ。ライヴはいいんだが、スタジオ録音はいまひとつです。演奏力のないフランスロックのなかでは異彩を放つ好きなグループですよ。ときどきヒット曲も出します。
matmatah l'apologie
何ゆえに大して売れないし人気もないのか私にはわからない AS ドラゴン。大売れの Superbus なんかよりずっといいのに。私は単純に声質がものすごく好きという点でも、アイヴィーのようなものか。「私はデビー・ハリーやスージー・スーになれたかもしれないのに。しょうがないわ、パリに生まれちゃったんだもの」と、歌詞はものすごく後ろ向き。クリップは、アイディアはわかるがおもしろくないな。曲はとてもいいのに残念だ。こういうメランコリックな曲もいいんだけど、かなり激しい曲もやって、それもいい。いちばん好きな曲は見つからなかった。
AS DRAGON-Comme Je Suis
マドモワゼル・Kは今のフランスでいちばんロックな女性シンガーですよお。実は曲が結構頭がいい音楽学校出身。マドモワゼル・Kはかなりいいんじゃないかと思わないでもないのだが、「ロックだぜ」というストレイトなキャラクターが妙。これはヒット曲。曲名は「気分悪いわ」としておく。
MAdemoiselle K - Ca Me Vexe
突然ものすごく軟弱で恐縮だが、カオラン。何だか感覚が古い、ださいという感じがするんだが、フランス人だと点数が甘い、というのが全般に云える。クリップ、もうちょっと何とかなんないのか。弁護しておくが、全曲こんな甘ったるいわけではない。どちらかといえば、こんなもの聞いてちゃいけないなあ、と反省してしまう。でもこういうのが好きというのが体質なんだよ。何とも恥ずかしいことです。
Kaolin - Partons vite
才媛ダフネ。ジャンヌ・シェラールだのカミーユだのポーリーヌ・クローズだのより才能があるのではないかと思うのだが、それでもインパクトが弱すぎるなあ。でもカルラ・ブルーニ程度で満足したひとには問題なく勧められる。
Daphné - Musicamor
と云いつつ、ポーリーヌ・クローズも結構いいということが徐々にわかってきた。「実験的なサウンド」(!)のセカンドアルバムはファンを失望させてファーストに比べて売り上げが激減したということだが、私はこっちの方がいいと思いますよ。ファーストは「何か普通」と思ったから。でもやっぱりこのひとはものすごく地味。味わいはあるのかもしれないが、あまりに華がなさすぎですなあ。ポップスなんだから華がないと。
Pauline Croze - Jour de foule
最後に変なひと、クレール・ディテルジ。むかしトゥールの町出身のフォルゲット・ミ・ノットというグループがあったのですが、そこのメンバーでした。どことなくレコメンデッド系のような雰囲気の音楽をやっていたグループなのだけれども、ソロになってもやっぱり変ですね。もう15年くらいもやってるんですか。
Claire Diterzi - Tableau de Chasse (Promo Video)
やっぱりこのひとだけがとびぬけてものすごく変でした。結局クレール・ディテルジを紹介したかっただけなんじゃないか、という気がするひともいるかもしれないが、そういうわけではないのよ。評判がよかったら第二弾をやります。